社会保険・役所関連の届出

【14日(厚生年金は10日)以内】社会保険・役所関連の届出

 まず、亡くなった方が加入していた公的医療保険(健康保険)、介護保険、公的年金の資格喪失や受給停止の届出をし、役所で必要な手続きを行います。

1. 健康保険の「資格喪失届」を提出し、保険証を返却する

 健康保険の被保険者が亡くなった場合、被保険者としての資格を失うため、健康保険証(被保険者証)は死亡した翌日から使えなくなります。
 また、下記①、②いずれの健康保険でも、加入者が亡くなると遺族に葬祭費が支給されるので同時にその申請手続きをします。葬祭費の申請の際、葬儀費用などの領収書の写し、埋葬費を受取る人の金融機関の口座が分かるもの(通帳やキャッシュカード)を準備しておいてください。

①国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合

 国民健康保険(自営業者など)や後期高齢者医療(75歳以上や65歳~74歳で障害のある者)の加入者であれば、住所地の役所に「資格喪失届」を提出し、健康保険証等を返却します。
 返却方法は下表のとおりです。

返却先亡くなった方が住んでいた市区町村役場の窓口
提出書類「資格喪失届」←窓口で入手します
返却物・国民健康保険被保険者証(世帯主死亡の場合は世帯全員分)
・国民健康保険高齢受給者証(対象者の方)
・後期高齢者医療被保険者証(対象者の方)
その他必要なもの・死亡を証明する戸籍謄本等
・世帯主の印鑑(認印)
・運転免許書等の本人確認書類
●後期高齢者医療の対象者については下記も必要
・相続人の印鑑、預金通帳(高額療養費がある場合のみ)
・限度額適用・標準負担額減額認定証
・特定疾病療養受療証
※亡くなった方が世帯主でその家族も国民健康保険に加入していた場合、健康保険証の返却の際、世帯主を書き換えて新しい健康保険証を発行してもらう必要があります。

②国民健康保険以外の健康保険(会社員等)に加入していた場合

 勤務先の健康保険の加入者であれば、年金事務所に「資格喪失届」を提出して資格を喪失する必要があります。
 原則、勤務先でその他の退職手続きと一緒に行ってくれることが多いですが、残された家族が会社の担当者に確認しましょう。
 健康保険証は勤務先が代行してくれる場合は勤務先を経由して返却しますが、やむを得ない理由により直接返却する場合は会社の住所がある各都道府県の協会けんぽ、勤務先が健保組合に加入していた場合はその健保組合に返却します※。
 ※健康保険証に保険者(協会けんぽ等)の名称、住所の記載があります。

③会社員の死亡退職に関する手続き

 会社員が在職中に亡くなった場合、通常、死亡した日が退職日となり、健康保険と厚生年金保険の資格はその翌日に喪失します。
 退職手続きの際、以下の項目を確認してください。

退職手続きのチェックリスト
健康保険被保険者証の返却
社員証(身分証明書)の返却
死亡退職届の提出
その他会社から貸与を受けていた物の返却
未払い給与、退職金、社内預金、自社持ち株等の精算
会社が求める書類(遺族厚生年金等の手続きを会社がする場合等)の提出

 亡くなった方の健康保険の扶養に入っていた方は、死亡日(退職日)の翌日に健康保険と厚生年金保険の資格を喪失します。
 その後は、ご自身で国民健康保険と国民年金に加入するか、会社員である他の家族の被扶養者になる手続きをする必要があります。

2. 介護保険の資格喪失届を提出し、保険証を返却する

 65歳以上の場合、介護保険の被保険者証が自宅等にあるはずなので、住所地の役所に介護保険の資格喪失届を提出し、保険証を返却します。手続きする人の本人確認書類、認印を準備しておいてください。

 要介護認定を受けて介護・予防サービスを利用していた場合、担当のケアマネジャーに連絡し、負担割合証も返却します。合わせて、利用していたデイサービスなどの事業者にも早めに利用停止を伝えましょう。

3. 年金の受給停止と未払い年金の手続きを行う

 亡くなった人が老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給していたら、最寄りの年金事務所(又は年金相談センター)で受給停止の手続きを行います。この手続きが遅れてしまったために年金が支払われてしまった場合、その返還をしなければいけません。

 公的年金は、年6回、2カ月に1度(偶数月の15日)に前2ヶ月分が支払われ、亡くなった月の分まで受け取ることができます。亡くなった後に支給される年金で、亡くなる月までの分(受け取っていない分)は、受給資格のある遺族(生計を同じくしていた遺族)が受け取れますので、その手続きを行います。なお、亡くなった方が、年金の受給資格期間を満たしていたにもかかわらず、年金をもらっていなかった場合でも未支給であった年金は支払われます。亡くなった方の職歴、旧姓など、分かる限りの情報を収集して年金事務所の窓口等で、受給資格の確認をしてみましょう。

 未支給であった年金の受給資格のある遺族は、下記の順で請求できます。なお、先順位がいる場合には請求できません。
 ①配偶者、②子、③父母、④孫、⑤祖父母、⑥兄弟姉妹、⑦それ以外の3親等
 なお、同順位に2人以上いる場合、その内の1人が行った請求は全員のために全額を請求したものとみなされ、その1人に対して支給されたものは全員に支給されたものとみなされます。

 未支給であった年金の請求方法は、下表のとおりです。

請求先最寄りの年金事務所、又は、年金相談センター
提出書類未支給(年金・保険給付)請求書・年金受給権者死亡届(報告書)
※請求書は、年金事務所の窓口か、日本年金機構のホームページから入手
必要なもの・亡くなった方の年金証書 (添付できない場合、その事由を記載する)
 →基礎年金番号がわかる郵便物(年金のお知らせなど)を準備しておいてください。
・亡くなった事実を証する書類 (戸籍謄本、死亡診断書のコピー等)
・亡くなった方との続柄を証する書類 (戸籍謄本等)
・亡くなった方の住民票の除票、請求者の世帯全員の住民票等
・受取を希望する金融機関の通帳 (コピーでも可能)
・亡くなった方と請求者が別世帯の場合、「生計同一についての別紙の様式」等
※コピー可能なもの以外は原本を添付します。

4. 当てはまる人は遺族年金の受給手続きを行う【時効5年】

 国民年金や厚生年金に加入中、又は、それらの年金を受給中の人が亡くなった場合、その人に生計を維持されていた遺族に遺族年金が支給されます。この「生計を維持されていた」とは、亡くなられた当時、亡くなった方と生計を一にしていた方で、年収850万円を将来にわたって得られない方のことです。なお、その当時に年収850万円以上であっても、おおむね5年以内に年収850万円未満になると認められる場合は対象になります。
 国民年金のみの加入者は、18歳到達年度まで(障害がある場合は20歳未満)の子がいる配偶者、又は、該当する子が「遺族基礎年金」を受給できます。
 高齢の親が亡くなった場合には大半は該当しませんが、条件に合えば「寡婦年金」を受け取れるので、その請求手続きを行います。
 一方、亡くなった高齢の親が厚生年金に加入していた場合、その人に生計を維持されていた配偶者は「遺族厚生年金」を受給できるケースが多いため、その手続きを行います。ただし、支給要件や遺族要件に該当した場合でも、年金は5年、一時金は2年の時効があり、請求期間を過ぎると受け取れなくなりますので、要件を確認し、すみやかに必要な手続きを行うことが重要です。

 亡くなった方の加入状況別の遺族に支給される年金・一時金は、下表のとおりです。

亡くなった方遺族に支給される年金・一時金
国民年金(自営業など)に加入中の方遺族基礎年金
該当すれば、①寡婦年金、又は、②死亡一時金
国民年金及び厚生年金(会社員など)に加入中の方遺族基礎年金と遺族厚生年金
該当すれば、中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算
会社員の配偶者等無し
老齢基礎年金受給権者※1、又は、受給資格期間を満たしている方※2遺族基礎年金
老齢厚生年金受給権者※1、又は、受給資格期間を満たしている方※2遺族厚生年金・遺族基礎年金
該当すれば、中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算
※1 : 原則65歳以上で受給資格期間25年以上の方
※2 : 受給資格期間25年を満たしているが原則65歳に達していない方

【参考】年金の種類と加入する人

国民年金自営業や農業等に従事する人、学生、フリーター、無職等で日本に住む20歳以上60歳未満のすべての国民
厚生(共済)年金法人や団体で働く70歳未満のサラリーマンや公務員等

 各請求書は日本年金機構のサイトからダウンロードでき、その添付書類も調べることができます。
 また、年金事務所などの窓口に各請求書が用意されているので、年金の受給停止の手続きに行った際に入手し、後日、あらためて手続きしてもかまいません。
 ただ、上記の時効もあり、亡くなった人に生計を維持されていた配偶者にとって遺族年金は生活を支えるための重要な収入になるため、できるだけ早く手続きしましょう。

●年金に関する問い合わせ先

 年金制度は細かい条件があり、実際の支給条件、金額、不明点などについては最寄りの年金事務所やねんきんダイヤルで確認ください。
 また、亡くなった方が公務員であった場合は共済組合(国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・日本私立学校振興・共済事業団)へ問い合わせください。

ねんきんダイヤルTEL 0570-05-1165 (ナビダイヤル)
TEL 03-6700-1165 (一般電話)

5. 世帯主の変更届を提出する【14日以内】

 亡くなった方が世帯主で、残る世帯員が2人以上(配偶者以外の者が新たに世帯主になる等)の場合、14日以内に世帯主変更届(住民異動届)を提出して住民票の世帯主を変更する必要があります。一方、残された世帯員が1名の場合や妻と幼い子というように新しい世帯主が明白な場合、又は、亡くなった方が世帯主でなかった場合は届け出の必要はありません。
 なお、亡くなった方は、死亡届の提出により、戸籍に「死亡」の旨が記載され、住民票が消除されます。
 亡くなった人が世帯主で同居の家族がいる場合、世帯主変更届が必要な場合があります。

 世帯主変更届(住民異動届)の提出方法は下表のとおりです。

提出先亡くなった方が住んでいた市区町村役場の窓口
届出人新世帯主、又は、同一世帯の方、もしくは代理人(委任状が必要)
必要なもの・届出書 (窓口で入手します)
・国民健康保険証 (加入者のみ)
・運転免許証等の本人確認書類
・委任状(代理人の場合)
・印鑑 など
留意点届出を完了したら、住民票の写しを取得し確認しましょう。
※届出書の様式は、転居や転入などの際に提出する住民異動届と同一であることが多いです。

6. 亡くなった方の戸籍謄本や住民票の除票を取得する

 相続人の確定や以降の相続手続きに必要になるため、役所の手続きを行う際に一緒に入手しておくといいでしょう。

①戸籍謄本 (除籍謄本と改製原戸籍謄本)

 亡くなった人の戸籍謄本は、最後の本籍地から出生時まですべて必要になるため、これまでは本籍地が何度か変わっていたら遠くの役所には郵送で取り寄せる必要がありました。これが、戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)により、戸籍謄本等の「広域交付」請求ができるようになったため、最寄りの市区町村でまとめて請求できるようになりました。 参考:戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)

 1つの戸籍には筆頭者とその配偶者や子供までが入ります(3世代戸籍禁止の原則※)が、同じ戸籍において生存している者がいない場合、その戸籍は「除籍謄本」と呼ばれます。※3世代戸籍は昭和23年に廃止され、現在は2世代戸籍(親とその子が同じ戸籍)が採用されています。

 戸籍は、①昭和23年、②平成6年に改製されました。
 ①は戦後の混乱のため実際の改製は昭和32年から昭和40年頃でしたが、改製以前の戸籍が家を基本単位としていたのに対し、夫婦を基本単位とする戸籍に変更され、戸主の欄が廃止され、筆頭者の欄が新設されました。②は戸籍事務のコンピュータ化に応じた改製であり、順次コンピュータ化され、現在ではコンピュータ化されていない自治体はありません。このコンピュータ化される前の戸籍が「改製原戸籍謄本」として管理されています。この「原」を「はら」や「げん」とし、「はらこせき」や「かいせいげんこせき」などと呼ばれています。

 以上を整理すると、必要な戸籍謄本は下表のとおりです。

誰のどのような戸籍備考
亡くなった方の戸籍謄本、または、除籍謄本亡くなった日を証する
亡くなった方の出生まで遡る除籍謄本、または、改製原戸籍謄本相続人が誰であるかを特定する
相続人の戸籍謄本相続開始時点で相続人が生存し、相続の権利があることを証する
→亡くなった方の戸籍謄本等で確認できることもある
→廃除の審判確定により、戸籍謄本に廃除の旨が記載される(戸籍法97条ほか)
※相続放棄と欠格は戸籍にその旨は記載されない。なお、相続放棄では相続権は代襲しないが、廃除や欠格では代襲する。

②住民票(除票)の写し等

 死亡届を提出すると、亡くなった方の住民登録は抹消されます。なお、住民票に記載されていた者が全員消除されている場合、「住民票の除票」と呼びます。
 亡くなった方の最後の住所地を確認したり、住所変更の経緯を確認するため、「住民票の写し」の提出が求められることがあります。「住民票の写し」だけでは住所変更の経緯が確認できない場合、「戸籍(除籍)の附票の写し」が求められることがあります。

7. 法定相続情報一覧図

 法定相続情報一覧図は、2017年(平成29年)5月に創設・運用開始されたもので、戸籍謄本等の必要書類と作成した一覧図を登記所(法務局)に提出することで「認証文のついた写し」が無料で交付される公的な証明書です。
 この法定相続情報一覧図(認証文のついた写し)を利用できる手続は、相続登記の申請手続のほか、被相続人名義の預金の払戻し手続、相続税の申告、被相続人の死亡に起因する年金等手続など、様々なものがあります。これを利用することにより、戸籍謄本を何通も用意する必要がなくなり、手続きを効率化し時間の削減につながりま

 この法定相続情報一覧図は、申出により誰でもが取得できるものではなく、申出できるのが下表の者に限られます。

申出できる者・被相続人の相続人
・相続人から委任された民法上の親族
・資格者代理人(相続人から委任された弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、行政書士、海事代理士、弁理士)
申出できる法務局
(いずれか)
・被相続人の本籍地
・被相続人の最後の住所地
・申出人の住所地
・被相続人名義の不動産の所在地
申出に必要な費用無料
ただし、戸籍謄本等の取得費用はかかる
必要なもの他の書類が必要になる場合もありますが、原則として以下のものが必要
・申出書 (法務局の窓口か、法務局のホームページからダウンロードにより入手)
・法定相続情報一覧図 (戸籍謄本等により自身で作成したもの)
・相続関係を証する戸籍関係の書類一式
・被相続人の住民票の除票
・申出人の本人確認書類
・郵送で申出を行う場合には返信用封筒
参考:法務省「法定相続情報証明制度」について

●法定相続情報一覧図の注意点

 法定相続情報一覧図は、あくまで戸籍謄本等の情報のみから作成するものであるため、相続放棄に関する事項などは記載されません。
 また、被相続人や相続人が日本国籍を有しないなど、戸籍謄本等を提出できない場合には利用することができません。
 
 この情報は法務局で5年間保管されることになりますが、この5年間の保管期間中に再交付が可能です。
 ただし、個人情報保護の観点から、再交付の申出ができるのは原則として当初の申出人に限られ、他の相続人が再交付を希望する場合には当初の申出人からの委任状が必要です。

8. 印鑑証明書

 遺産分割協議書や金融機関への相続届など、相続人の「実印」を押した書面提出を求められることがあります。
 この「実印」で押印したことを証するため、「印鑑証明書」を添付する必要があります。この「印鑑証明書」は、6ヶ月以内に入手したものであることなど、期限が定められていることがほとんどであるため、再取得とならないように入手時期に注意しましょう。

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